看護師に向いている性格として大切なもののひとつに、「自分をしっかり持っている」というものが挙げられます。自分は何をしたいのか、自分は何者であるのか、そういった意識をしっかり持っている必要があります。ことあるたびに、周りに流されるようでは立派な看護師になることはできません。周りに流されやすいという人はあまり向いていないかもしれません。
 
というのも、看護師という仕事は、まさに女の世界という感じだからです。近年、男性の看護師も増えてきています。精神病棟などでは、ときには患者様を力で抑えなくてはならない場面もあり、そういった職場では男性看護師が重宝されているのも事実です。しかし依然として看護師の圧倒的多数は女性であり、今までと同様に女性の職場という感じになっています。
 
女性が多数を占める職場はだいたいどこも同じような形になりますが、まずは派閥争いがおきます。○○さんと△△さんは仲が良いとか、○○さんと□□さんは仲が悪いとか。女性という生き物はそういった噂話が好きなのです。もちろん例外もあるでしょう。十把ひとからげに言うことはできませんが、それでもそういった傾向があるのが事実です。それがいいとか悪いとかの価値判断は置いておいて、女性特有の世界が看護師の世界にはあります。その中でうまく渡っていけるかというのが、看護師という仕事をする上で重要な素質になります。
 
昔からそういう女の世界はきらいだという人もいるかもしれません。そういうネチネチしたところからは一線を引いて、遠くから眺めていたという人もいるかもしれません。しかし、仕事をする上で、そんな冷めた目で見ることはなかなか難しいのが現状です。看護師という仕事はチームワークでやらなければなりません。一匹狼では看護師の仕事はうまくいきません。高校時代までならそれでよかったかもしれません。しかし、看護師の仕事をしていく上で、そういった態度では仕事に支障をきたすことになります。
 
ではどうすればいいのか。大切になるのは冒頭でも書いたように、自分をしっかり持つということなのです。その場その場の雰囲気に流されて、浮き草のようにフラフラしていると、結局どこの派閥に属することもなく、一人っきりになってしまいます。自分はこういう人と仲良くしたい、こういう人とは馬が合わないということをしっかり認識した上で振舞うことが必要になります。そうしていれば、職場に自分の居場所がなくなるということにはならないでしょう。